焦燥
ポリプテルスを飼育していて、しばらくたつといろんな情報を見聞きするようになります。
はじめのうちは、飼育しているだけで満足なのですが、入ってくる情報を聞くと、
「5cmのエンドリが1年で45cmに!」とか、「セネガルスが35cmになった!」とか。
それに比較して自分の魚は、そこまで早い成長を見せるわけでもなく、セネガルスなんて23cmそこそこ、
エンドリなんて半年で30cm未満。
飼育の仕方が悪いのか、餌の与え方、種類が悪いのか。ここでも「憂い」を感じてしまいます。

ですが、少し考えてみてください。公の場でこんなに大きくなった!などの話は、普通じゃないから大きく取り上げられたり、
話題に上ったりするわけで、そうそうどの個体もそのような爆発的成長を見せるわけではありません。
そのような場合、あたりくじを引いたのと同じような感覚なのです。

確かに大きくする方法を知っている人、それだけの設備を設置できたり、投資が出来る人というのは確実に存在し、
その人の下では、平均サイズも多きなくなる傾向にありますが、普通の飼育者が行う飼育方法とはかけ離れています。

では普通の飼育者はどのように魚の成長を捉えるべきか?
成長期の20cmを越えるあたりまでは惜しみなく餌をつぎ込むのを前提として、3年、5年スパンで物事を計っていくことです。
自然界のポリプテルスの成長速度などわかるはずもありませんが、普通に考えた魚の成長度で、1年で50cmというのはあまりないことです。そのことを踏まえて、エンドリなら1年で35cm、3年で45cm。
上顎なら数年かけても、30cmに到達しない個体もたくさんおりますが、3年かけて27cmを目標にすればいいのではないでしょうか?
上記に上げた数値は、根拠のないものではなく、今までにいろいろな種類を複数飼育してきましたが、平均的に大きくなる速さとして、書いております。

普通に飼育して、1年で49cmに達したエンドリというのも経験がありますが、飼育していて気持ちよく、面白いものの、
普通の成長スピードではありません。

インターネットや書籍などで、取り上げられた事例に「憂う」のではなく、それを目標に時間をかけて達成していきたいものです。
(大型魚を数十匹も飼っているようなヘビーユーザーの方対象です。小型魚数匹ならどんどん餌をあげてください。
支障がない程度に。)